2016年9月4日日曜日

稽古日誌|星新一「ボッコちゃん」ほか2篇

【星新一「ボッコちゃん」「おーい でてこーい」「最後の地球人」】 
稽古風景

2回目の稽古。初回でざっくり立てたプランを、1話ずつ丁寧に組み立てなおしました。

台風の去った後に突如表れた直径1メートルほどの穴に翻弄される人間とその未来を描いた「おーい でてこーい」。
人工的であるがゆえに完全な美人である“ボッコちゃん”が働くバーの迎える静かな一夜「ボッコちゃん」。
人口の増減をモチーフに人類のカスタトロフィを描く、星版創世記「最後の地球人」。

町から都市、広くとも国までの視野に入る“人間”。
小さな店の、一人と一人の“人間”。
属性のない、地球の上に生きる物としての“人間”。
“人”を描く画角も焦点距離もそれぞれ違う作品の、それぞれのエッジをどう立たせていこうか。そのエッジを結んで、どんな星座をつくろうか。
言葉、音楽、空間を編んではほどき、編んではほどき……。稽古場の限られた時間はあっという間に過ぎていきます。

ブルースブルース、ブルース、シャンソンクラッシック。ちょっとお休みして、アイルランド民謡、タンゴ。
感情に直接アクセスしてくるようなメロディのうねり。気持ちがいい。けれど朗読者にとってそれらの立ち位置はやはりスパイスなのかもしれないとも思う。音と言葉の駆け引き、それが朗読者の骨子。音は言葉に、声は音に、意味は空間に。
欲しいのは斬新な解釈じゃなくて、的確に届く自在なのりしろ。

星新一氏が見つめた400字詰めの原稿用紙を思って、
浅見さんが10個の穴に息を吹いたり吸ったり、
奈佐が1つの喉を閉じたり開いたり。
3人を目の前に私は無心に無限を覗こうと目を閉じる。

目の裏には、これだ、とおもう花火がはじける気がして、稽古だというのにふっと気が遠くなった夜でした。