2017年7月30日

「怪談夜宴」上演作品⑤

 泉鏡花「星あかり」 


妖怪や幽霊のように外側に起こる怪異もあれば、幻覚幻聴のように自身の内側に起こる怪異もあります。
この「星あかり」はその “ 内側に起こる ” 怪異。
幻覚に翻弄された挙句、ドッペルゲンガー(自己像幻視/自分と寸分違わぬ分身)に出遭ってしまうお話です。

泉鏡花 ロウドクシャ
鏡花は金沢からの上京後、尾崎紅葉に弟子入りするまでの約一年、東京市内各所を転々とし、その放浪生活中の一時期、盛夏の鎌倉にも滞在していました。この小説は、その時の体験をもとに書かれています。

妙長寺から由比ヶ浜を舞台にした怪奇的小説であり、当時の鏡花自身の切羽詰った心情、どうしようもない孤独や将来に対する不安が、主人公の恐怖体験を通して表現されました。

※写真は初演(昨年10月鎌倉芸術祭に参加@極楽寺)のもの